【体験談】安定だからといって食品メーカーに就職してはいけない10の理由【理系・就活】

私は大学を卒業してから食品メーカーに就職し、2年3カ月働いていました。食品メーカーは安定しているイメージが強く、人気の高い業界ですが、実際に働いてみると向いている人はかなり少ないと思います。

そこでこの記事では、

・なぜ食品メーカーに就職したの?

・どうして辞めたの?

・食品メーカーがダメな理由は?

という疑問を私の経験から答えていきたいと思います。

私が食品メーカーに就職した理由

私が食品メーカーを志望した理由は以下の3つです。

私が食品メーカーを志望した理由

・大学で勉強していることに関連があったから

・自分で考えた商品を販売してみたかった

・業界的に安定だと思ったから

大学生の私は深く考えることもせず、このようなありがちな理由で就職活動をしていました。自分の人生に関わることなのだからもっとよく考えておけばよかったと後悔したのは就職した後でした。

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高倍率を突破した先に見えた地獄

私が就職したのは食品メーカーの中でも人気のある大手菓子メーカーです。誰もが一度は食べたことのあるお菓子をいくつも作っている会社でした。当然倍率も高く、倍率も200倍以上あったはずです。内定をもらったときはとてもうれしかったのですが、そのあとに待っていたのは一日中機械と製品の世話をする地獄の生活でした。毎日何かしらのトラブルがおき、製造終了後も機械を調整し続ける日々を2年3カ月送ることになります。

死ぬか、会社を辞めるかで迷い退職を決意

不規則な生活サイクルと過酷な肉体労働のせいで、抑うつと不眠になり、薬を飲みながらなんとか仕事をしていましたが、「こんな生活を続けるくらいなら死んだほうがマシ」と思うようになり、会社を辞めることを決意しました。自分の人生がどうでもよくなってしまうくらいに食品メーカーは自分に合っていなかったことを辞めた後に気づかされました。

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食品・菓子メーカーをおすすめしない10の理由

①製造業務は地獄

製造業務は本当に地獄です。「機械でやってるんだから楽なんでしょ?」と思うかもしれませんが、機械は機械で調整するのが大変ですし、古かったり、あまり動かしていない機械だとトラブルが多発します。また、人間が行う作業も多く存在しています。ちなみに私がやった仕事で二度とやりたくないものベスト3は、室温40度の中で練りあがった生地をぶち込む作業、流れてくるクッキーサンドのずれを目視で確認する作業、爆速で流れてくる製品を段ボール組み立てながら箱詰めする作業です。

②交代制勤務も地獄

交代制勤務も地獄です。早番・遅番・夜勤が隔週で変わるのですが、一生慣れることはありません。これに慣れたという人は体の感覚がマヒしてしまっているだけです。この生活サイクルでまともに生活できている時点でまともではありません。

③身体が悲鳴を上げる

必ずといっていいほど身体を壊します。私の場合は、抑うつと不眠になったのが一番つらかったですが、そのほかにも左手の親指がバネ指になってしまい、朝起きるとまったく動かせない状態になりました。また、重いものを長時間移動する作業もあるので、腰痛持ちにもなります。

④新製品なんて作れない

「新製品を作りたい!」、「ヒット商品を生み出したい!」という思いで入社してくる方は多いですが、結論から言えば新製品を作ることはできません。というのも新しい商品を一から作れるようにするとなると、機械を新しく導入する必要があります。しかし、機械の導入には莫大なコストがかかるため売れるかもわからない商品のために投資をしたりはしません。では開発研究室は何をやっているのかというと、既存の商品に手を加えるのが主な業務ということになります。季節限定の味を考えたり、コストを安くするために原料の見直しをしたりするのがメインで、新しい製品の開発というのはほとんど行っていません。

⑤高卒社会で生きていかなければいけない

メーカーの製造を支えているのは高卒の社員です。つまり製造現場に配属される大卒は高卒社会で生きていかなければなりません。「大卒なのにそんなこともわからないのか」と言われることもあり、大卒というだけで目の敵にされてしまうこともあります。

⑥休日出勤は当たり前

人気商品を製造している課に配属されると休日出勤は当たり前になります。中でも土曜日に休日出勤して、日曜に夜勤で出勤というパターンは最悪で、身体を休めている暇はありません。

⑦残業も当たり前

トラブルが起きたり、人員不足になると残業が当たり前になります。私の入社した会社には12時間勤務というものがあり、毎日3.75時間の残業をしている課もありました。加えて休日出勤もするとなると、もはや休みなどありません。

⑧自分のペースで仕事ができない

流れてくる製品に合わせて自分たちが動かなくてはならないので、自分のペースで仕事をすることはできません。一定の時間間隔で同じ作業を延々と行わなくてはならないので、かなりストレスがかかります。

⑨スキルが身につかない

製造現場で得られた知識は他の会社では何の役にも立てることはできません。私が身に着けることができたスキルと言えば、両手で大量のクラッカーを挟むことができるようになったくらいで、何の役にも立ちません。

⑩そもそも安定してない

食品業界は安定と思っている人も多いと思いますが、そもそも安定した仕事なんてものはこの世に存在していません。私がいた会社は入社した年に大きな変化が起き、それから大幅に利益は下がっています。みんなが安定と思っているものほど、これから大きな変化があると思っていたほうがいいです。

食品メーカーに向いている人とは?

①強靭なメンタル

食品メーカーで働くうえでもっとも大切なものは強靭なメンタルです。これさえ持っていれば、延々と続く単純作業にも大卒だからという理由で言われる悪口にも対応できるはずです。

②圧倒的な体力

圧倒的な体力も重要です。食品メーカーは肉体労働です。特に製品の仕込み作業は自分は土方の作業員なのかと錯覚してしまうほど体力を使います。食品を生産するのに最適な環境は人間にとっても最適な環境とは限らないということを知っておきましょう。

③周りを味方にするコミュニケーション力

高卒社会に溶け込むにはコミュニケーション能力がとても重要です。相手に自分を合わせることができなければ、自分の居場所がなくなってしまいます。興味のないような話でも、自ら会話に参加しするくらいでないとやっていくことはできません。

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仕事を通して得られた唯一のこと

この仕事を通して得られた唯一のことは、自分を徹底的に分析する能力です。私はこの経験を機に、自分はどんな人間なのか、何をしているときが楽しいのかなど、自分に関することを徹底的に分析するようになりました。すべては同じ失敗をしないためです。得られたのはこれだけしかありませんが、今後の人生を歩んでいくうえで重要なことを得られたのではないかと思っています。

安定そうだからという気持ちでは来てはいけない

安定そうだからという理由で食品メーカーに就職してはいけません。そもそもこれからの社会において安定した仕事なんてものはないのです。ですが、私にあっていなかったというだけで、他の人には向いているという可能性は十分にあります。しかし、これを読んで不安に思うくらいなら考え直しましょう。向いていない人にとってあまりにこの仕事はきつすぎます。

学部や学科にとらわれて就活をするな!

生物系を大学で専攻している方は食品メーカーに興味がある方も多いとは思いますが、学部や学科にとらわれて就活をするのはおすすめしません。いろいろな業界、業種を見るようにしましょう。また、大手企業からベンチャー企業までしっかり比較することをおすすめします。視野を広く持って就職活動を行うことが失敗しないための重要なポイントです。